第2号
平成9年7月30日号


●無上のよろこび  護寺会会長 北村 明
 浄泉寺護寺会結成以来、門信徒の皆様には、会運営にご理解と、ご協力をいただき順調に推移いたしております。
 6月29日、平成9年度の総会が開かれ、季節外れの台風上陸で天候が心配されましたが、盛会裡に終了出来ました。また、昨年より会報を発行し、この度第2号をおとどけ出来ました。これも門信徒皆様方の御協力によるものと感謝申し上げます。
 去る3月13日、岸力前護寺会会長さんが命終されました。岸さんは、護寺会結成以来15年の長い間会長として菩提寺発展に寄与されました。特に本堂建設は歴史的大事業として永く語りつがれることと思います。
 平成10年4月には、蓮如上人五百回御遠忌法要があり、当護寺会においても参加する予定ですので、多数ご参加下さる様お待ちいたします。
 同朋新聞5月1日号に「拝めば光ってくる世界」という棟方志功のコラムの中に次のような文章がありました。

 “和”や、“愛”や、“夢”に較べて、“尊”、“敬”、“拝”、“恩”といった言葉は、私達の生活、人生の中から影がうすくなってきたように思われる……。
 尊敬せずにはおられないほどの人に、拝まずにはおられぬほどの教えに、出遇えなくなったから、と人は言うかも知れない。しかし、この私達のくにの山河をも、畏敬して暮らした古の祖先たちの姿を思いおこす時、拝むほどの存在がなくなったのではなく、拝む心を失っている現代人としての、「私」のいることに驚くのである。
−−−棟方志功−−−

この言葉に感銘をおぼえるものであります。
 親鸞聖人と蓮如上人のお教えを、手を合せて拝聴するとき、現代社会の上において、益々身の引締る思いであり、私達真宗門徒として尊いご法縁に遇うことは、真に無上のよろこびであります。会報を通してでも、どうか真宗の教えに触れてみて下さい。
 本堂にぬかづいて、手を合わせるとき、心に新なものがあります。

平成9年度浄泉寺護寺会総会報告

 6月29日、午後1時より、浄泉寺本堂において、護寺会の総会が開催されました。
 出席者(委任状を含め138名)全員による読経(正信偈)ののち、司会に蘇武則行さん(新橋)、議長に中山元一さん(二ノ構)が選出され、平成8年度の事業報告、収支決算報告、平成9年度の事業計画案、収支予算案の議事、すべて原案どおり満場一致にて承認されました。

平成8年度事業報告

○仙台組門徒会総会
 平成8年7月17日、仙台東北別院で行われ、浄泉寺から鈴木孝也さんが出席しました。
 門徒会は各寺の代表で組織し、主に教化活動のお世話役としてその任に当ることで、まず自らが聞法の先達として歩む場であります。各寺からの代表との交流では、活発な意見の交換がありました。
○修正会(しゅしょうえ)
 平成9年1月16日、午前10時から浄泉寺本堂に於て修正会が開催されました。
 正月の初詣で参加者一同で読経(正信偈)の後、住職の法話、そして懇親会、鬼首や古川の方々も交えて、なごやかなひとときを過すことが出来ました。
 またひとつ、門信徒の集いの場が出来たと感じました。次回からは、皆さんも是非ご参加下さい。

平成9年度事業計画

○定例総会開催
 6月29日、浄泉寺。
○本堂、庫裡など寺周辺の環境整備  随時必要な事項。
○墓地、境内地周辺除草
 樹木保護のため、その周辺は除草剤は使わず、手作業で行います。
○孟蘭盆会(うらんぼんえ)、万灯会(まんとうえ)
 孟蘭盆会は、8月7日から20日まで行うのが定説になっており、浄泉寺も同様に実施。
 万灯会は、8月13日から16日までの夜7時から9時。
○研修会、しんらん教室、聞法会開催
 聞法会    10月
 前期研修会  9月頃
 後期研修会  5月頃
 しんらん教室 毎月
○上山研修、公開講座への参加
 上山研修は仙台教化委員会主催に参加
 公開講座 平成10年5月


浄土教のルーツをたずねる中国の旅
 平成8年度からの懸案事項でありました中国の旅が、平成9年7月18日から25日に実施されました。
 これまでは、本山(京都本願寺)参詣を2・3年毎に行って来ましたが、この度は、浄土真宗のルーツであり、浄泉寺にも縁の深い中国玄中寺への旅を実施し、参加者全員(20名)が感銘を受けた有意義な事業として特筆すべきものだったと思います。
 内容については、次号で特集したいと存じます。


五百回御遠忌参詣と伊豆半島の旅
 平成10年4月15日から25日まで、京都東本願寺において10昼夜にわたり蓮如上人御遠忌法要のお勤めがとり行なわれます。
 浄泉寺でも、50年に1度のご勝縁に是非参詣をと言う声が多く浄泉寺独自の計画をしているところです。
 全国の真宗門徒は勿論のこと門徒以外の参詣者もありかなり混雑するだろうと予想されており、土、日の休日をさけて、比較的参詣者の少ないと思われる、平日の参詣を予定しております。
 これまでも、2・3年に1度の割合で本山参詣を行っておりますが、今回は、蓮如上人の御遠忌法要が主目的となりますので、いつもの本山参詣のときより本山滞在時間を延長して3時間から4時間をみております。また京都市内も大変な混雑が予想されており、買物等の時間はとらず、法要終了後は直ちに京都駅より新幹線にて静岡へ向い、静岡駅前のホテルに直行し、ひとまずホテルに荷物を預け指定の場所にて夕食をとり1泊と考えております。
 翌日は、ホテルをバスにて出発し西伊豆を主体的に、できれば時間の許す限り伊豆半島の名所旧跡を観光し、その日の宿泊は、天城連山を背景にした熱川温泉か、漁港でしかも素朴な環境で新鮮な魚の食べられる稲取温泉かと思案をしているところです。
 2泊3日の旅ですので、最終日は、前日観光できなかった所を見て、夕方帰着する方向で検討をしておりますが、これはあくまでも予定です。報恩講までには決定版のチラシを配布いたします。ご期待下さい。
 わが国最大の宗派浄土真宗の中興の祖である蓮如上人の法要に参詣し、皆様と共に信心の喜びを確かめ、2泊3日の行動を共にすることにより、門信徒皆様の親交を更に深めたいと思います。


お待ち受け法要
 お待ち受け法要 3月7・8日、仙台東北別院において、蓮如上人五百回忌お待ち受け法要が厳修されました。
 これは、平成10年4月15日から25日、本山東本願寺で行われる法要に向けて実施されたものです。
 地元仙台はもとより、県内外からバスを仕立てての参詣がありました。
 また、8日午後2時から県民会館ホールで、前進座公演による「蓮如」が上演。迫真の演技で観客を魅了し満席が感動の渦につつまれ、ラストシーンの「白骨のお文」を入れた演出は素晴らしいの一語につきる思いでした。

 帰命無量寿如来  南無不可思議光 (正信偈)

 幼い頃、毎日父親の勤行時にいっしょに詣ることが、形式的、封建的な儀式だといって、軽く見ていた自分があったことを思い出します。
 信心とか、信仰生活ということは、日常のきわめて具体的な形となって表われて来るものかも知れません。ことに最近では、自由とか権利のみを主張する過った個人主義の風潮が強くなって、家庭といっても昔の様にまとまりがなくなってしまった様な気さえします。
 こんな時こそ、「帰命無量寿如来」に始まる伝統的なおつとめの大切さが父祖の声となり、祖先のいのちとなって生きてはたらいていることを思います。
 浄土真宗は親鸞聖人によって開かれ、蓮如上人によって広められたといっても過言ではないと思います。(赤羽根)


 コラム●さるすべりに思う
 寺境内の木々のうち最も存在感ある木といったら「さるすべり」だろう。夏の暑い時真赤な花を咲かせ豊作のシンボルとも言われ、寺院の庭には欠かせぬ木のひとつである。
 昭和の初めには現在の3・4倍の枝を四方に張り境内いっぱいになり、その枝の下をくぐり歩くことがあたり前のことになっていた。それから70年、さるすべりは老木となったものの町内五指に並ぶ。
 木も老木となると言葉を持つ様にさえ思える。私の生れる以前からここに立ち、様々なできごとを見て、老の身をさらしながら、なお、彼なりの思いを語りつづけている。
 その言葉に立ちどまり、見上げ、そしてうなずく。私は、人間が自然と共存しようとするには、かなりの努力が必要なことを教えられ、遅ればせながら保存に懸命になっている。この夏の暑い盛りに、せみの声とともに真赤なさるすべりの花を楽しみにしながら…。(赤羽根)

 岸力前護寺会長 ご逝去さる
 浄泉寺護寺会発足以来15年間会長、現顧問としてご活躍された岸力さんが、去る3月13日89才で命終されました。
 喪主である岸順幸さんより「父の遺志でもあるので」と、ご寄付がよせられました。
 かねてより、駐車場から本堂、境内、墓地へ通じる通路を舗装工事の要望があり、この度の岸前会長さんのご遺志を、寺のためご門徒のためにと思い、有難く頂戴いたしました。
 あらためて、岸力さんのご労苦に対し感謝申し上げ、命終にお悔みを申し上げます。

お盆の行事について
 今年もお盆(孟蘭盆会)が、やって参ります。恒例の行事のご案内をいたします。
◎8月7日、一斉清掃(墓地・境内地)午前5時から1時間、各自の墓地と本堂境内周辺の清掃を行います。
 ゴミは必ず焼却場へ持参して下さい。6時から朝の勤行(おつとめ)に参詣し、本堂で茶会、7時に解散となります。
◎8月13日から16日までの夜7時から9時、恒例の万灯会が行われます。
 参道の両側の灯篭には赤あかと灯がともり、幻想的な雰囲気の中での墓参りは、夜の風物詩ともなりました。是非、ご家族揃ってお出かけ下さい。
 なお、お申込みは地区役員か寺までお願いします。
 会費は1000円となります。

 マナーを守ろう!
   ※茶わん、カン類など、燃えない物は持ち帰りして下さい。
   ※造花はあげない様にしましょう。
   ※新しく駐車場、水屋、ゴミ焼却場を整備しました。
    大切に利用しましょう。

 あ と が き
 つゆ入り・つゆ明けと言いますが、つゆ(梅雨・黴雨)は、梅の実が熟す時期とか、黴(カビ)が生じやすい時期とか言われ、6月上旬から7月上旬にかけて、日本及び揚子江沿岸地方に起る雨期で、6月20日頃に中休みがあって、後半は驟雨(しゅうう)・豪雨を伴うことが多く、東北・北海道では雨期はやや不明瞭と広辞苑にあります。うっとうしい梅雨が過ぎますと、日本列島は真夏日となり、寝苦しい熱帯夜で、暑中見舞の便りが届きます。
「さるすべりに思う」というコラムが今回の護寺会報に載っておりますが、夏の暑い盛りに燃えるような真っ赤な花をつけます。
 散れば咲き 散れば咲きして さるすべり    千代女
 まもなく浄泉寺恒例の万灯会です。150個程の提灯がともり、そのあかりがかもし出す夜の境内の幽玄さを味わってみてはいかがでしょうか。(赤間)

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