第7号
平成14年7月20日


●生まれて来た意義をたしかめ実りある人生を  護寺会会長 北村 明
   釈迦、弥陀の慈悲よしぞ
       願作仏心はえしめたる
   信心の智慧にいりてこそ
       佛恩報ずる身とはなれ
                   (正像末和賛)


 暑中お見舞い申し上げます。今年は春のおとずれが半月以上も早く、桜の開花も異常なほどでしたし、最近は梅の実が大豊作で梅の加工に精を出している話題がそちこちで聞かれるこの頃です。
 ご門徒の皆様には、常日頃浄泉寺護寺会運営についてご理解とご協力をいただき、心より厚くお礼申し上げます。
 去る6月30日(日)の護寺会総会には、多数の方々のご出席を賜り、菩提寺護持運営についてご討議をいただき、お蔭様にてすべての議事を原案通りご承認いただきましたこと、重ねて心よりお礼申し上げます。
 毎月の同朋新聞によりますと、あと10年後(平成24年)に宗祖親鸞聖人七百五十回ご遠忌法要が行われると報じられており、私達の宗門の歩みは、毎日の生活の中での仏様との出遇いを中心としたことであり「仏法をあるじとし世間を客人とせよ、との仰せであったのか」との蓮如上人の言葉を今更ながら思い知らされます。
 いつも書くことですが、毎朝墓参と本尊参りを致しておりますが、年々寺の環境が充実して来ており、嬉しく感じられます。
 護寺会が発足して20年ほどになりますが、様々な事業が皆様のご協力のもと、順調にその成果をあげておりますのも素晴らしいことであると思います。
 21世紀は心の時代と、よくいわれ、仏教の果す役割は大きいものがあると思われます。
 住職さんが、いつも申しております「生まれて来た意義をたしかめ、実りある人生を…」をモットーに生ききれるための道場として菩提寺の存在があるのだと思います。
 皆さんも、時々で結構です。朝6時30分ごろより、お墓と本堂のご本尊様へのご参詣をお薦めいたします。


●責役・総代研修会を終えて  赤間 栄夫
 去る5月29日、午後1時より、東北別院の研修室において開催され、当浄泉寺からは、住職・赤間栄夫・岡本修一の三氏が出席した。
 玉蓮寺の白木沢住職の司会で開会され、例によって真宗宗歌の斉唱であったが、今回は東北別院輪番の相良晴美師のハーモニカによる伴奏で三番まで歌った。
 しかし、私は残念ながら楽符をみても歌うことができない。恥ずかしながら、わが浄泉寺の門徒で、真宗宗歌・恩徳讃を歌える人は数少ないだろうと思う。そのときふと、これらの曲をテープにて春、秋の彼岸、お盆、その他浄泉寺の行事のときに、繰返し境内に流したなら、永い年月のうちに皆さんも覚えるのではと思った。
「門前の小僧習わぬ経を読む」という故事ことわざがあるじゃございませんか。
 つづいて、今年度より浄土真宗大谷派仙台組の組長に就任された、浄泉寺の赤羽根住職の挨拶があり、東北別院輪番の相良晴美師の講題「まことのみむね・いただかん」という講話があった。
 真宗の「宗」は「むね」と読む。次の文字も「むね」と読む。棟・旨・胸・「棟」は建物の中心、「旨」は趣旨の旨で文章の中心、「胸」は身体の中心、「宗」は宗旨の宗で精神の中心で真宗の「真」はまことである。したがって、「真宗」とは人間の本当のよりどころということなそうだ。
 紙面の都合で講話の一部のみの紹介でお許しを願いたい。爽やかな皐月の風に身も心もすかっとした気持で帰路につくことのできた有意義な一日であった。


いのちを見つめる    ●講師大谷大学学長 小川一乘
 5月の末、義兄の法事の折、住職さんから公開講座のチケットをいただきました。仙台旭ケ丘にある「青年文化センター」はとっても立派なホールで、6月8日、午後2時30分から5時までと少し帰りを心配しながら、友人と3人で出かけました。
 最初は、お経をあげたりして一寸戸迷いもありました。
 講師の小川一乘先生も大学の学長さんという紹介でしたが、お寺の住職さんと聞き、そのうえお話がとてもやさしく、内容もわかりやすく丁寧な言葉使いで、失われて行く「いのち」が、私にとって決して別のことではなく、つながりの中で生きる「いのち」の大切さをあらためて知らされ、とても良かったと思いました。
 はじめて出席しましたが、小川先生は3年目で、これで約束は終りだと何度も話しておりましたが、もっと早くお聞きする機会があったらと、とても残念に思いました。
 帰りぎわ住職さんにお会いして、来年も是非お願いしますと申込みいたしました。
 この様なことが地元古川でもあればいいねと話し合いながら家路につきました。
 成願寺本堂が新しくなり、とても雰囲気のいい、すばらしい環境に恵まれたお寺に、檀家の一員として加えていただき、ありがたいと思っています。どうもありがとうございました。
おおば



平成14年度浄泉寺護寺会総会報告      渡辺 敏雄
 去る6月30日(日)午後1時、浄泉寺本堂に於て、護寺会総会が開催されました。
 曇空ではありましたが、雨の心配もなく、おだやかな日に、沢山のご門徒の方々が、お寺に足をはこんでいただきました。
 総会に先立ち参加者みなさんで正信偈のおつとめを行いました。つづいて、本堂の脇に建つ「倶会一處」(無縁塔)の碑に読経、焼香ののち総会の開会、司会進行係、蘇武則行(新橋)さんの進めによって、会長北村明さん、住職さんからごあいさつをいただき、議長に佐々木誠さん(通丁)を選び、平成十三年度、事業報告、会計決算報告、監査報告、平成14年度、事業計画、予算案などを審議、満場一致原案通り承認されました。
 その他のところで、住職さんから墓参りのマナーについて、再度の確認のお話がありました。

平成14年度事業計画(平成14年6月〜平成15年5月)
○定例総会開催 6月24日、於浄泉寺本堂
○本堂・庫裡等寺周辺の環境整備
○墓地、境内地周辺除草 年2〜3回
○孟蘭盆会、万灯会の開催
○教化事業に関する項
 聞法会  10月頃
 門徒会研修会
 親鸞教室
 会報の発行
 修正会、1月16日午前10時
 涅槃会、2月15日午前10時
 ほか各種研修会の開催
○上山研修、公開講座への参加

 ●お盆の行事について
 今年もお盆の季節になりました。恒例の行事のご案内をいたします。
◎8月7日、一斉清掃(墓地、境内地)午前5時から1時間、各自の墓地と本堂境内周辺の清掃を行います。
 ゴミは必ず焼却所へ持参して下さい。6時から朝の勤行(おつとめ)に参詣し、本堂で茶会、7時に解散となります。
◎8月13日から16日までの夜7時から9時、恒例の万灯会が行われます。
 参道の両側に灯篭に、赤あかと灯がともり、幻想的な雰囲気の中での墓参りは、夜の風物詩ともなりました。是非、ご家族揃ってお出かけ下さい。
 なお、お申し込みは地区役員か寺までご連絡下さい。
 会費は1基1000円となります

住職さんにおたずねします

 「主人が亡くなったので、お墓を建てたいと思うのですが、いつ建てたら良いのでしょうか。又、浄土真宗では、どんなお墓が、正しいのでしょうか」

 最近、この様な問題を聞かれることが多くなりました。たしかに、テレビ番組などでも取り上げていて情報が多岐にわたっているので迷いはあると思います。
 古来、お墓は墳墓と云って、いわゆる、亡くなった方々の遺骨を安置しているところなわけです。
 昭和30年代までは土葬が主流だったわけですので、お墓は一人ひとり個別にあったのです。その後火葬の普及によって、家族が一つの墓に埋葬することになり、○○家の墓とか代々の墓として建てられました。
 今日、核家族化になり、あらためて、お墓を考えた時、戸迷いの中にあることは否定出来ません。
 そこで様々な事柄が問題になって来たのでしょう。
 そのひとつにお墓を建てる時期のことが問われたのでしょう。たしかに、一周忌には、お墓は建てないという、言い伝えはあります。これは、亡くなる前病気などで経済的に大変だったうえに、葬儀等の負担があり、そのうえすぐにお墓となれば、負担が二重、三重にもなる。せめて2年後のことだったら何とかなるのかとの配慮が、生活の智慧となり、一周忌には墓を建てないということになったものでしょう。
 さて、お墓にも流行があるのでしょうか。最近では様々な形や色、そして姿があり、個人個人の考え方が、そうさせたものだろうと思います。
 前にも申しましたとおり、お墓は「亡くなった方々の遺骨を安置している場所」でありますので、私達がお守りし仏様として詣るところなのです。つまり、それはモニュメント(記念碑)ではなく、亡くなった方が仏様として名のりをした場所であり、私達の聞法の場なのではないでしょうか。
 従って、浄土真宗の場合は石碑の正面に「南無阿弥陀佛」と刻ることだけでいいのかと考えます。
 徳川時代に作られた、家制度(檀家制度)が今、少くとも崩壊しようとしてい、新たな個を基盤とした家族の姿が主流となり、夫婦別姓への対応にも充分に答えられるお墓のあり様が、そこに見えて来ると思います。


 あ と が き
 護寺会報を発行するたび、文才のなさを通感しながら、どうしてこうまで苦しまねばならないのかと思う。
 人は時として、大いなるものに立ち向かうことがある。かの玄奘三蔵もその一人、中国からインドへの砂漠の中を仏教の教えを求めての旅、大いなるものそれは「私のいのちの在り方」を問うものなのでしょう。
いざゆかん。他郷にはとどまるべからず。
合掌 住職

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