宝池山浄泉寺護寺会報
 ◆平成 18 年 7 月 20 日(第 11 号)

発行者 浄泉寺護寺会会長 岸 順幸

  1. 心が交いあう集いの場を目指して
  2. 仙台組門徒会臨時総会と総代研修会に参加して
  3. 平成十八年度浄泉寺護寺会総会報告と東北別院報恩講参詣について
  4. 本堂内陣の荘厳
  5. 切籠灯籠のひかり
  6. お盆の行事について
  7. あとがき
  8. 会報一覧

心が交いあう集いの場を目指して

護寺会会長  岸 順幸

今年は、春先からの日照不足に加え、毎日いやな雨が多く、うっとうしい日々が続く今日このごろでありますが、ご門徒の皆様方には日頃より活発な護寺会活動に心から感謝申し上げます。

 また私こと、この度の護寺会総会に於いて役員の改選にあたり、図らずも前任会長北村さんの後を受けて、会長の席を受け継ぐことになりました。しかし、元来、自分自身は寺との関わりは全て父親まかせでありましたから、お彼岸やお盆にご先祖様への墓参が関の山でありましたし、この度の任務は少々荷の重さを感じているところであります。前任会長のような指導力がありませんので、住職や各役員を始めご門徒の方々のご支援を得ながら、さらに、研鑽を積み護寺会活動に努める所存でありますので、皆様の一層のご指導・ご協力を重ねてお願い申し上げる次第であります。

 さて、去る 6 月 9 日早々に研鑽機会を頂き、東北別院に於いて開催された総代研修会に参加してまいりました。
講題は「浄土真宗と総代の役割」でありましたが、資料として門徒に関する法規「真宗大谷派宗憲(前文)」「真宗大谷派の寺院・協会の宗教法人規則(準則)」を以って、寺院のあり方や総代の役割等々全くこれまでに経験したことのないお話であり、初めて聞くような用語が多く少々戸惑いを感じながらの受講でした。

 ただその中で、講師から『毎日届けられる新聞紙上で「殺」という字が載っていない日はない』と、現在の世相について説かれておりました。まぎりなく、相次いで起こる児童の殺害、さらには、子供が親を殺める残忍極まる事件も数多く起きている昨今であり、卑劣な犯罪を防ぐ手だてを、地域はもとより社会全体の中で関わりを持つ大切さを改めて考えさせられた一日でありました。

 講話の中でも「開かれた寺づくりが大事」と説かれておりましたが、寺院の役割は生きるためにこそ必要な場所、大切な拠り所なのかも知れません。前任会長の言葉の中に「お互いの心が交い合う集いの場として充実したい」とありました。是非この事業を受け継いで行ければと思っております。

 最後に、ご門徒皆様方のご健勝と浄泉寺護寺会の益々のご発展を祈念申し上げ、就任の挨拶といたします。

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仙台組門徒会臨時総会と総代研修会に参加して

東川原町  庄司 寿夫

▼仙台組門徒会臨時総会
 「組門徒会員証」を 3 月 10 日に仙台教務所長陵木文道様よりいただいた。果たして小生に 3 年間勤まるかどうか不安な気持ちで臨時総会に臨んだ。
 仙台組長赤羽根證信様の何時もの歯切れのよい挨拶を拝聴し、内心ホットした。お話の中で門徒会が 25 年の歴史を積み重ね、その間に何人かの女性僧が誕生したというお話に感嘆した。
 以前に発刊された「真宗大谷派(東本願寺)教団通信」の中で、「開かれた寺院運営と男女共同参画をめざして」の記事に、女性に関する教学・教化・制度についての検証、男女共同(平等)参画を推進するための基本的「条例」の制定、さらにその男女共同(平等)参画を具体的に進めていくためのビジョンの策定に向けて取り組んでいることが記されている。このことが、今、全国各組門徒会で実践されていることを感じとった。
 そして、仙台教務所長陵木文道様より、聞法の道場は開かれたものであり、各組門徒会員は推進委員として「自ら学び、自ら伝える」という認識を持って取り組んで欲しいというお話しには、特に責任の重さを」感じた。このことを常に胸に秘めて毎日の生活を送りたいものである。
 特に、陵木文道様のお話の中で、最も印象に残ったのは「おかみそり」のお話しである。その言葉を聞いた時は「自分の髪をカミソリで剃るのかナー」と隣の新組門徒会員の方とお話しをした。
 後日、赤羽根證信様から次の様なお話を拝聴した。
「おかみそり」は帰敬式のことで、ご本尊の前で「三帰依文」を唱和し執行者からおかみそり(剃刀)が三度頭にあてられることで実際には髪を剃ることではないということである。
 同朋新聞によると、『三帰依文は、お釈迦様が教えてくださった「法」と、法に目覚めた「仏」と、その仏の教えられる法を拠りどころとする人の集まりである「僧」の三つを「三宝」といい、「その大切な宝物として生きていきます」と、ご本尊の前で確かめるものです』とあります。
 これからも門徒の皆様と協力して相互の連携を深め、同信同期の実を挙げるように微力をつくしていきたいと思っている。
▼総代研修会
 6 月 9 日に、岸・岡本様と 3 人で豪雨の中、東北別院での総代研修会に参加した。東北別院輪番陵木文道様から「浄土真宗と総代の役割」についてのお話を拝聴した。
 その中で「開かれたお寺の運営」についてのお話が印象的だった。「開かれたお寺の運営」はお寺の山門を開いて本堂の扉を開けておくことが大切である話である。
 このことについて、毎朝、風雨の日、雪の日、 365 日、朝参りの皆様方にお聞きしたところ、今の時代に、山門・本堂の扉を開けておくと、物品の盗難の恐れがあるので、その時々に対応していくべきであるということであり、浄泉寺こそ、他に誇れる「ひらかれた寺院である。」と門徒の皆様は自負していると思っている。
 毎朝、朝参りの皆様がご本尊にご焼香した後で、浄泉寺ご住職ご夫妻の心のこもった温かい朝茶をいただくことは、このうえない幸せなひと時である。そして、情報交換の場でもある。
 この二つの総会・研修会に参加して思うことは、「人は出会いによって知人になり、人は語り合うことによって心豊かになる。」ということである。

合掌

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平成十八年度浄泉寺護寺会総会報告と東北別院報恩講参詣について

護寺会副会長  赤間 栄夫

 「目に青葉 山時鳥 初鰹」といいますが、これは江戸中期の俳人山口素堂の句で、初夏の好ましい風物を並べたものですが、初句は「目には青葉」でした。現在は「目に青葉 山ほととぎす 初がつお」となっております。

 一年のなかには乾期と雨期があります。特に東南アジア・インド・アフリカなどは、乾期と雨期がはっきりと分かれております。わが国では 6 月上旬から 7 月上旬にかけての日本及び揚子江沿岸地方に起る雨期のことを入梅とか梅雨と呼んでおります。そんな梅雨さ中の総会にもかかわらず雨が降りませんでした。仙台組の僧侶仲間では、浄泉寺の行事には雨が降らないというので浄泉寺晴れと呼んでいるようです。

 昨年は北村さんが体調を崩され会長職を辞任されました。北村さんには、初代岸会長の後任として岸会長同様に浄泉寺護寺会の向上発展にご尽力を賜りました。厚くお礼申し上げます。健康に留意をされまして今後ともご指導ご鞭撻を下さいますようよろしくお願い致しますとともにご健勝を心よりご祈念申し上げます。

▼浄泉寺護寺会総会

 去る 6 月 25 日の午後 1 時より浄泉寺の本堂において、平成 18 年の護寺会の総会が開催されました。参加者全員によって正信念仏偈(親鸞聖人の「教行信証」の行巻末尾にある七言 120 句の偈文、弥陀・釈尊・三国七祖の教えた念仏を正信すべきと述べており、浄土真宗で朝夕の勤行に和讃と共に読誦する)を唱え、無縁様(本堂に向かって左側に建立されている倶会一處)にお詣りをしてから審議に入りました。

 議長には佐々木誠さん(通丁)が選出され、平成 17 年度事業報告・収支決算報告・特別会計報告並びに平成 18 年度の事業計画案・収支予算案・役員改選等の審議がされ、すべて原案通り満場一致の賛成にて承認されました。

※理事は旧町内をいくつかに区割りした地域と旧町内以外のたとえば古川・仙台・東京・等々をあわせて一つの区割りとした地域よりそれぞれ選出されており 18 名です。監事は 2 名で役員の構成は次のとおりです。

理事 福田 貞義 (通丁東)
会計 岡本 修一 (通丁南)
副会長 菱沼 久喜 (通丁一)
副会長 赤間 栄夫 (通丁一)
理事 欠員 (柳町)
理事 中山 功一 (下町)
庶務 渡辺 敏雄 (仲町)
理事 小松 善男 (本町)
理事 浜田源三郎 (横町)
理事 米倉  孜 (川原町)
理事 渋谷 至一 (川原町)
理事 伊藤 敬一 (二ノ構)
理事 渡部 運作 (寿丁)
理事 欠員 (川原小路)
理事 千葉 仁一 (共栄)
理事 蘇武 則行 (新橋)
理事 佐々木芳雄 (東川原町)
会長 岸  順幸 (町外担当)
監事 大内 達男 (通丁一)
監事 鈴木 考也 (本町)
▼東北別院報恩講参詣と袋田温泉めぐり一泊の旅

 浄泉寺と成願寺による恒例の東北別院の報恩講の参詣 1 泊の旅は今年は、茨城県で最も大きな袋田温泉に決まりました。久慈川支流の瀧川沿いにあって、新緑・紅葉シーズンの風光美は格別です。

 有名な袋田の滝は月折山の中腹、高さ 120 メートル、幅 74 メートルの見事なもので 4 段となり落下します。西行法師がこの滝に魅せられ 4 回も訪れたので 4 度の滝の別名があります。

日程 10 月 15 日・ 16 日 1 泊
ホテル おもいでろまん館

乞うご期待 申し込んでネ!

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本堂内陣の荘厳

 夏の日本堂に入ると、ひんやりとした落ち着きのある雰囲気が、参詣に訪れた人々を包む様に迎える。本堂新築から 13 年、その間、祖師前御厨子(宗祖親鸞聖人)、ご代前御厨子(蓮如上人)は、山形・篠仏光堂様によって寄進されました。また、本堂後門柱金具框金具、敷居金具は、川原町地区渋谷至一様にお母様の供養として供えられました。その渋谷様が、このたび奥様の一周忌法要を縁として、内陣奥の壁面に虹梁一式を荘厳されました。

 申すまでもなく、寺は私達門信徒の聞法の場であり、心の拠りどころ、集いの場であります。

 時間を作って先祖の墓参りと、ご本堂に足を運び、仏様の前にわが身をすえ、問い直すひとときを持つ心豊かな日暮しがつくられることを念ずるものです。あらためて、衷心より感謝申し上げます。

(合掌)

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切籠灯籠のひかり

 東北の夏は、ねぶた・竿灯・七夕…盆踊りである。
その光はぼんやりとしてやわらかい。最近は色や形もカラフルになり、何となく風情がなく感じることもある。

 私達浄土真宗には、古くから、お盆になると下げられる切籠灯籠(きりことうろう)がある。忘れていたのではなかったが、ご門徒さんから問われて気付いたことだ。

 日頃当たり前のように見ていた「東北のまつり」が、厳しい自然の中で暮らして来た人々が、短い夏の夜を惜しむかのように魂を揺さぶる光の行事となって来たのだろうと思う。「そろそろお盆が…」と思いつつ本堂に切籠灯籠を下げよう。

 恒例となった万灯籠は境内参道を彩り、あの、ぼんやりとしたあかりこそ、私達の心のふるさとへ誘う光となっているのだろう。

住職

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お盆の行事について

今年もお盆の季節になりました。恒例の行事のご案内をいたします。

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あとがき

門前の小僧習わぬ経を読む。
最近 3 歳になる孫が、寝る前に正信念仏偈を口ずさむ様になった。
「キミョームリョージュニョライ、ナムフカシギコー…」
大人が聞くと「大したもんだ」とか「さすが」とかいうのだが、彼女はその意味が解らないから唱えられるのかも知れない。
私たちは、その意味が解れば唱えるし、信じられると思ってはいないだろうか?、そして覚ろうとしているだろうか。

 帰命無量寿如来
  南無不可思議光

「この二行をうなずけたら、すべてがうなずける」と、宗祖親鸞聖人が説かれている。
この私にとって、生涯をかけて問うて行くテーマなのである。

住職

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宝池山浄泉寺 宮城県大崎市岩出山字浦小路113