宝池山浄泉寺護寺会報
 ◆平成 21 年 7 月 20 日(第 14 号)

発行者 浄泉寺護寺会会長 岸 順幸

  1. あいさつ
  2. 法然門下のころの 親鸞のエピソード
  3. 浄泉寺護寺会総会報告
  4. お盆の行事について
  5. 二度目の仙台組門徒会上山研修に参加して
  6. あとがき
  7. 会報一覧

あいさつ

護寺会会長  岸 順幸

 一年を過ごすことは早いもので、護寺会事業も21年度のスタートとなりました。ご門徒の皆様方には日頃より、護寺会の運営・活動をご協力いただき心より感謝申し上げます。

昨年を振り返るといろんな出来事がありました。6月にはマグニチュード7.2の大規模な地震災害だった、岩手・宮城内陸地震が起こり、岩出山地域も多くの被害を被り、特にお墓の灯籠の倒壊被害が数多くあったり、9月過ぎから、世界的な景気の悪化があったり大変な一年でした。

さて、浄泉寺護寺会活動も新年度となり、6月28日に多くのご門徒皆様方の参加をいただき総会を開催いたしました。審議に入る前に、前期で任期切れであった会長・副会長について、先の理事会で再選をいただいたことを報告し、了解を得て審議に入りました。議題は前年度事業報告、決算並びに、翌年度事業計画・収支予算、の審議、他の案件についてもそれぞれ賛同をいただき、新年度事業として決定致しました。つきましては、本年度の護寺会事業の活動等、昨年同様一層のご協力を賜りたく宜しくお願い申し上げます。

総会終了後は、本年も懇親の場を設けていただき、沢山の方々が参加され、意見交換など話題も多く楽しい一時の集いでした。この雰囲気を毎月の10日にある「正信偈勤行の集い」にも、多くの皆さんの参加をいただければ幸いです。

また、このたび仙台組門徒会で上山研修(奉仕上山)の企画があり、浄泉寺から庄司寿夫さんと共に参加する機会をいただき、真宗本廟での御影堂や阿弥陀堂で、朝の参拝・勤行から始まり夕事の勤行など1日のスケジュールで、3泊4日間の研修・奉仕でした。 本山である東本願寺での参拝は初めてであり、世界最大の木造建築と言われている御影堂の姿を直接見られることが楽しみでした。しかし、御影堂の修復工事は平成15年から始まり、ほぼ完了されておりましたが、御影堂を覆っている素屋根がまだ残っており、建物の正面の間口76メートル、高さ38メートルの世界最大のお堂と言われる全形の姿は、まだ見ることが出来ませんでした。この仮設の素屋根は阿弥陀堂修復に向け、7月16日に移設するとのこと、今回は残念な上山参拝でした。 是非、平成23年の宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌の折には、ご門徒皆様方と共に上山参拝に参加したいものです。

最後に、本年も一層のお力添えをお願い申し上げると共に、ご門徒皆様方のご健勝をご祈念申し上げ挨拶といたします。

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法然門下のころの 親鸞のエピソード

責任役員  赤間 栄夫

▼法然と親鸞の信心
 法然門下の弟子達と親鸞が法然の面前で議論をしたとき、親鸞が「法然上人のご信心と善信(親鸞)の信心とは少しも違いがなく全く同じである」と主張したところ、他の弟子達が、親鸞をとがめて「どうしてお前の信心と上人の信心が等しいのか」と問い質したのに対して、親鸞は「もし智慧の深さとか知識の豊かさということであれば、私はとうてい上人には及びませんが、往生の信心については如来よりたまわった他力の信心ですから、上人の信心と私の信心に違いのあるわけがありません。したがって全く同じですと申し上げました」と説明したそうです。これを聞いていた法然は「信心が異なるというのは自力の信心のことで、他力の信心は善悪の凡夫ともに、仏よりいただく信心ですから法然の信心も親鸞の信心も少しも変りがありません」と言われたそうです。
▼浄土往生
 また法然の面前で親鸞が浄土往生は信心によって(不退)になるのか(信不退)・行(称名)によって不退になるのか(行不退)という問いを出したところ、聖覚・法蓮・法力(熊谷直実)等のみ信不退の座についたが、その他の多数の弟子達はどうしていいかわからず逡巡していたそうです。そのとき法然(源空)は「私もと言って信不退の座についたそうです。
▼念仏往生
 あるとき体失・不体失について議論があり親鸞は「念仏往生の衆生は自体が滅びないまま(不体失)で往生をとげるのです」と主張したところ、証空が反対して「身体が滅びて(体失)こそ往生するのです」と主張し決着がつかず法然に問うたところ「不体失往生こそ念仏往生の有り方であり、仏の本願の心にかなうものです。体失往生は念仏以外の諸行による往生であって、仏の本願の心にかなうものではありません」と言われたそうです。
この他にも法然門下の親鸞についてはいろいろなエピソードが伝えられております。このころには、専修念仏教団はすでに大きな勢力に成長し、上は関白九条兼実から下は遊女・盗賊に至るまで専修念仏の徒であると思われる程で、弟子には有力な人々がきら星の如く群集していました。このようなときに、遅く弟子入りした親鸞が急速に頭角を現したことは、彼の非凡性を如実に示しているといってもよいと思います。
▼決定的な出会い
 親鸞にとって法然との出会いがどれだけ大きな出来事であったのか、彼の人生において決定的な意義を有した出会いであったと思われます。「たとえ法然上人にすかされまいらせて(だまされて)、念仏して地獄におちたりとも、さらに後悔すべからず候う」(歎異抄)という親鸞のことばは決して大げさでも、虚言でもなく、それはまさしく彼の真実のさけびそのものといってよいと思います。
比叡山の20年間の厳しい修行においても、ついに救われることのなかった親鸞にとって「ただ念仏一行のみでよい」という法然のことばは、まさしく天啓とでもいうべきものだったと思います。 長い間の求道生活の中での悩み、苦しみも法然との出会いにおいて、天地がひっくりかえるほどの体験として喜びに転じていったことでしょう。
したがって法然門下となって専修念仏に帰した親鸞は、あたかも水を得た魚のように自らの信仰を深め、他力信心に徹底していったと思われます。親鸞の法然門下における信心の他力性についての領解の深さを示していると思われます。

「親鸞の教えに学ぶ」より

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浄泉寺護寺会総会報告

 平成21年度浄泉寺護寺会総会が去る6月28日(日)午後1時から開かれました。 開会に先立ち参加者全員で正信念佛偈を唱和し、本堂北側にある「倶会一處」の前でご住職の読経のもと、責任役員の赤間栄夫氏と会長の岸順幸氏が代表して焼香ののち、総会の開会となりました。 岸会長の挨拶に続き、議長に庄司寿夫氏(東川原町)を選出、平成20年度の事業報告に始まり7議案の審議が行われ、すべて満場一致で承認されました。 結果については次のとおりです。

▼平成20年度事業報告
 役員会(年間5回)、上山研修(2名出席)、正信偈勤行の集い(毎月10日)、上山本廟奉仕(6名参加)、平成20年度総会実施、仙台組門徒会会議(3名出席)、護寺会会報発行、一斉清掃・晨朝参詣、万灯篭会(8月13〜16日)、仙台組聞法会、東北別院報恩講参詣と男鹿の旅、成願寺門徒会総会・報恩講、浄泉寺報恩講、仙台門徒会自主研修、修正会(1月16日)、責役、総代研修会(4名参加)
▼平成20年度収支決算報告
 収入 814,832円  支出 768,170円  残金46,662円は次期繰越
▼本堂建設後の特別会計報告
 繰越金 6,687,049円  利息 21,544円  次期繰越6,708,593円
▼監査報告
 監事大内達男氏より「適正に執行されている」旨報告あり
▼平成21年度事業計画
 総会開催(6月28日)、本堂、庫裏等の寺周辺環境整備、墓地境内地周辺除草・消毒、孟蘭盆会、万灯会、修正会、ねはん会、正信偈勤行の集い実施、研修会、本山参詣、公開講座への参加と協力、東北別院報恩講への参加 その他
▼平成21年度収支予算
 収入支出ともに 812,662円
▼役員の改選。
会長 岸 順幸(町外担当)
副会長 赤間 栄夫(通丁一)、菱沼 久喜(通丁一)
庶務 渡辺 敏雄(仲町)、会計 岡本 修一(通丁南)
理事 福田 貞義(通丁東)、中山 功一(下町)、小松 善男(本町)、浜田源三郎(横町)、米倉 孜(川原町)、渋谷 至一(川原町)、伊藤 敬一(二ノ構)、渡部 運作(寿丁)、千葉 仁一(共栄)、蘇武 則行(新橋)、佐々木芳雄(東川原町)
監事 大内 達男(通丁一)、鈴木 考也(本町)

閉会後に懇親会が持たれ、皆さんから好評を得たことで、これからも懇親会を継続する意向です。

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お盆の行事について

 今年もお盆の季節になりました。恒例の行事のご案内をいたします。

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二度目の仙台組門徒会上山研修に参加して

仙台組門徒会員  庄司 寿夫

今年も、上山研修は6月16日から6月19日まで3泊4日の日程で実施されました。
 参加者は門徒会会長大友一雄様(海楽寺)始め8ケ寺11名の総代役員の方が参加されました。浄泉寺からは、護寺会会長岸順幸様と2人でしたので大変心強く感じました。
 研修の内容は、朝7時の晨朝参拝から始まりました。教導福嶌龍徳氏(熊本教区)、補導安藤真氏(能登教区)の講話が午前9時から午後9時まで、ビッシリの講義内容でした。特に、お二人の講義で印象に残った言葉は次の通りです。
●仏教は覚教であり、弱くて、脆くて、壊れやすいものです。
●大切な人がいなくなって初めて大切なものを知ります。
●目が見えなくなり、耳が聞こえなくなるのは、自然の理であります。だからこそ体は老いと共に自然に引き受けなければならないと思います。
●修行(お勤め)を行ってこそ教えられるものです。
●仏教を志す者は、もっと悩み、苦しむことです。
●宗祖親鸞聖人の生き方を学ぶことです。
これらの言葉から私たち門徒の日常生活の生き方に一つの指針を与えていただきました。
 また、上山研修目的の一つである帰敬式(おかみそり)を受けて参りました。
 今回は赤羽根住職様からは「法名は一般的に亡くなってからいただくものと思われています。しかし、法名は本来、生前中にいただき、仏門に入るスタートであります。」と言われました。
 この様な言葉から、自分の髪に「おかみそり」をいただくことは、原体験として大変心に残るものがありました。私達の生き方を問う帰敬式だと思っています。
 終りに、今回の研修の機会を与えていただいた赤羽根住職様始め門徒の皆様に感謝をしています。と同時に新しい人が一人でも多く上山研修の機会を与えていただくことを願っています。

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あとがき

先日、本棚から「親鸞教室実施報告」なる冊子を見つけた。昭和61年から2年間、仙台組内で実施された親鸞教室の報告をまとめたもので、その中に「浄泉寺親鸞教室」の記述があった。
 それは、ある日の教室のやりとりが17頁にもわたって一人ひとりの発言がイニシァル付きで掲載されたもので、纏められたのは当時講師として来られていた岩手県通来寺住職の清谷和男師である。
 その時の教室の進め方は、日常どこにでもあるようなテーマに対して皆で意見を交わし、それを真宗の経典に照らし考えて行くという形で、真宗の知識を深めるためのものではない、実にユニークな形であった。
講師が教材を用意しそれに沿って生徒に教えるという手法ではないので、脱線することも多くあったのだが、教えられたことは多い。何かの時きっと役に立つ。

(大坂 記)

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宝池山浄泉寺 宮城県大崎市岩出山字浦小路113